□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ WEOX/HDPV Ver1.3.0 [07/01/22] 作者:OMEGA11 http://jnc.s21.xrea.com/ http://www.vector.co.jp/soft/winnt/art/se414800.html □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ■WEOX(WMPhoto Encoder Omega X)とは? マイクロソフトが開発した新画像フォーマットHD Photo=Windows Media Photo(WMPhoto) (拡張子 .hdp or .wdp)を作成するWPF(Windows Presentation Foundation)アプリケーシ ョンソフトです。Vista RTMになぜかHD Photoを作成するソフトが付属してないため自前で 作ってみました。 ◆HD Photo Viewer(HDPV)とは? Vistaであればwdpファイルをエクスプローラーやフォトギャラリーで閲覧できますがXP SP2では.NET 3.0ランタイムを入れた状態でもエクスプローラーで閲覧することができま せん、・・のでビューワーとして HD Photo Viewer(HDPV)を作りましたのでそれで閲覧して ください。XPでは.wdpファイルが(FAX)画像ビューワーと関連づけられたりしてますが標準 ソフトでは閲覧不可能です。.NET3.0はVistaに標準搭載されてるのでランタイムを追加でいれ る必要もありません。どちからというとXPよりVista向きのソフトです。 WMPhotoにエンコードできる対応画像は.NETのサポートする画像です (BMP,GIF,JPEG,PNG,TIFF,HD Photo,ICO) ○アニメーションGIFには非対応 ○透過PNGに対応してます、つまり透過PNGをHD Photoにエンコードすると透過 の情報はそのまま残ります。 ○HD Photoの再エンコードもできます、つまり品質の高いHD Photoファイルの  ファイルサイズを減らしたりできます。 WMPhotoの仕様書 http://www.microsoft.com/japan/whdc/xps/wmphoto.mspx Windows Presentation Foundation http://www.microsoft.com/japan/products/expression/wpf/default.mspx (注)マイクロソフトがWMPhotoを06/11/16にHD Photoと改名しました。   しばらくは過渡期で両方の名前が使われることになると思いますが   最終的にHD Photo[拡張子 .hdp]という名前が残るでしょう。 ただし現在ではVista RTMでさえ.hdpの拡張子をHD Photoと認識できないので.wdpでしばらくいきます。 ■対応OS Windows Vista Windows Server 2003 SP1 or R2 Windows XP SP2 上記OSのx64バージョンでの動作をサポートしてます。 ■必要ランタイム .NET Framework 3.0(Vistaには標準搭載) http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyID=10cc340b-f857-4a14-83f5-25634c3bf043&DisplayLang=ja .NET Framework 3.0 環境構築 http://www.microsoft.com/japan/msdn/netframework/downloads/netfx3.aspx ■必要マシンスペック .NET3.0が動作できるマシン環境 http://www.microsoft.com/japan/msdn/windowsvista/support/relnotes/netfx3/default.aspx ※ビデオカードはDirectX9対応のカードをお勧めします。 それ未満のカードではいくつかの機能がつかえない場合があります。 HDPVにパフォーマンス調査できるツールがあります。 メインメニュー、WPF→パフォーマンス調査 ランクは高、中、低の3段階でDirectX9がまともに使えるカードであれば高、それ以下が中低です。 ■ インストール/アンインストール Windowsレジストリの操作などはいっさいおこないませんので ただ.exeファイルを起動するだけです。使わなくなったらファイル削除するだけです。 ■アップグレード方法(バージョン更新方法) すべてのファイルを入れ変えるだけです。 前のバージョンのファイルはいっさい参照しません。 前のバージョンのファイルは必要に応じて削除してください。 ■ソフトの使い方 [WEOX編] 「ファイルを開く」ボタンでファイルを選択してエンコードボタンを押すだけです。 フォルダの画像をまとめてエンコードする場合は元のファイル名+.wdpとして ファイル名を自動作成します。 ※品質パラメーターの調整について LossLess(非劣化、可逆圧縮)のチェックがはいってる場合これらのパラメーターは読み 込みません。LossLessのチェックをはずすとこれらのパラメータをよみこみ圧縮します。 スライドバーで調整することになりますがマウスか十字キイ(←↑↓→)で細かく設定で きます。 IQL(画像品質)は最高品質が1.00、最低品質が0.00 IQLの数値型はFloat型なので実はもう 少しこまかく設定できるのかもしれませんがいまのところ十字キイでは0.01ごとに品質を 調整できるようにしてます。 <高度な設定> LossLessを有効化すると自動的にIQL=1.0 (品質最高)になります。 LossLessのチェックをはずしIQL1.0にしてもLossLessが有効化された状態とおなじ品質に なります。ファイルサイズが極端に減らすには品質のパラメーターを1.0よりすくなくす れば可能です 非可逆でもいいからWMPhotoファイルを作りたいという方やWMPhotoの実力を知りたい方に お勧めな設定はIQLの値が0.9から0.6 の間の設定です。パラメーターはIQLに任せたほう がいいようですIQLにまかせない場合、自分で調整することになりますが慣れが必要です。 ○略語解説 LL = LossLess = (可逆) CL = Compress LeveL (圧縮レベル) 範囲[1から255] IQL = Image Quality Level (画像品質) 範囲[0.00から1.00] OL = OverlapLevel 要素配列[0,1,2] SL = SubsamplingLevel 要素配列[400,402,422,444] IQLはCL,SL,OLを自動調節するパラメーターで IQLに自動でまかせない場合CL,SL,OLを自分で調整する必要がある(このときはIQLの値は関係ない) 3つのうち品質に直結するのがCLでこれを高くしすぎるとひどい品質(ファイルサイズは少なくなるが)になる。 CLを40前後にすればJPEG並の品質と圧縮がためせる。 *OL 0がファイルサイズが小さい 2がファイルサイズ大きい  (このパラメータは数キロバイトから数十キロバイトしかファイルサイズがかわりません) 数値をかえても変化がないことがある *SL 4:0:0が一番荒くファイルサイズは小さい、4:4:4が高品質でファイルサイズは大きい <お薦め設定> CL=40 OL=2 SL=4:4:4 = JPEG 圧縮率80とファイルサイズ同等レベル、画質も同等ぐらい ・SubsamplingLevelなどの用語説明は画像処理の専門書やWEBに詳しくかかれています。 ・サムネイル画像のチェックボックスにチェックを入れると画像をプレビューします。 [HD Photo(WMPhoto) Viewer編] ファイルを選択して見るだけです。 対応画像は.NETのサポートする画像です (BMP GIF JPEG PNG TIFF WMPhoto ICO)。 *アニメーションGIFには非対応 (編集機能)[画像の保存はできません] ・背景色の変更 ・拡大縮小、透過増減、回転、マトリックス変換、原寸表示、オーバービュー、強制DPI96表示 ・エンボス効果など簡単なエフェクト(重い処理なのでビデオカード/CPUの性能がよくないときついです) ・ToysにWPFのデモンストレーションっぽいのをいくつか作成 ・右クリック(コンテキストメニュー)に対応 [メインメニュー]  [ツール]   背景色 - これはアルファチャンネル(透過)画像を見るときに使うといいです。   ScRGB - 期待のカラーフォーマットScRGBをつかってみました。        ごちゃごちゃなってる小数点はARGBのFloat型です。(A=透過 R=赤 G=緑 B=青)   テーマ - メインメニューとコンテキストメニューを変化させるテーマです。        2007が透過しないので一番軽いです。   WEOX起動 - WEOX.exeを起動させます。HDPVで画像ファイルを開いてるとそのファイル名         を渡して起動します。 HD Photo Viewer 起動 - HDPVのフォームを新たに生成します(非プロセス)              すでに画像を開いているとその画像を開きます。   [表示]   GUI要素 - チェックを入れるとファイル情報と画像の読み込み時間を表示します。   デバイス独立表示 - 画像を96DPIで表示します。ほとんどの画像は96DPI向けなので             大きさはかわらないですがスキャンした画像やカメラ画像を見るときに使うといいでしょう。   透過増減 - 画像の透過を薄めて背景色とレイヤーをあわせます。透過100%が最大(デフォルト)です   Matrix - 画像を回転したりひきのばしたりするツールです。 自分で数値を設定して画像がフレームからきえたときは縮小をするとでてくるかもしれません。        「回転を元に戻す」でもとの画像に戻ります。 [WPF](ここにはWPFの機能のデモみたいなのがおいてあります)   回転45度(Grid) - Window内のコントロール自体を右45度だけ回転させます。           WPFの機能でこんなことができるようになりましたが使いどころがいまいちつかめません。 BitmapEffect - 画像にエフェクトをかけます。           とりあえず意味があるのはEmbossぐらいでしょうか。          OuterGlowは画像の外側にエフェクトをかけるので画像を縮小しないとなにをしてるかわかりません。          BitmapEffectはかなり重い処理です、ビデオカードもCPUにかなり負荷がきます。   Toys - Font Toys         巨大フォントを回転させるデモです(10秒程度)、メイリオを使ってるのでVistaでないと         フォントがきたなくなると思います。     - 画像を3D回転 HDPVで開いてる画像を40秒程度3D回転させます。 - Picture Burst       Imageボックスを48個設置してそれぞれが別々に3D回転や拡大縮小移動をして中央に収束し       円形にちらばっていく2分程度のデモです。これもかなり重い処理です。       -さよならだけが人生だ        これはバイナリにうめこんだ画像でデモします。       -フォルダ内画像48枚乱舞        フォルダの画像を48個選択して乱舞します、48個にみたない場合は同一ファイルで残りを埋めます。        48個より多いファイルがあるフォルダではランダムに選択して乱舞します。        あまり大きい画像がつまったファイル(たとえば1600x1200とか)ではかなりメモリを食うので        注意してください。でも見てるとおもしろいデモになりました。 ■技術的なTIPS ・WEOXのほうはエンコード時にはCPU負荷がかかるだけですがViewerのほうは CPUよりビデオカードに負荷が直結するためビデオカードの世代が古いと 挙動不審になるかもしれません。とりあえず Geforce7900GS(Vista x64/x86)、Radeon9800PRO(Vista)、Radeon9200(XP SP2) で動作確認はしてます。 ■再配布 このZIPファイルをそのままの形で配布する場合は自由 許可不要 ■ライセンス フリーソフト ■メール omega11vec@gmail.com バグなどがあれば環境(OS .NETランタイムバージョン、クラッシュしたときの動作、 画像の詳細、ビデオカード名)などと一緒におくってください。 ■ホームーページ暫定地 http://jnc.s21.xrea.com/ できればここに定期的にバージョンをあげたのを載せてたりしたいと思います。 正式なバージョンはVectorにも載せます。 ■Windows Media Photoの記事などのリンク http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0605/26/news014.html http://www.eetimes.jp/contents/200605/8393_1_20060525201417.cfm http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/USNEWS/20060526/239110/ http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20122887,00.htm 米Microsoftの新画像フォーマット「Windows Media Photo」とは http://dc.watch.impress.co.jp/cda/other/2006/05/29/3879.html 米Microsoft、新画像フォーマット「Windows Media Photo」を解説 http://dc.watch.impress.co.jp/cda/other/2006/08/25/4475.html 記事をみるかぎりWMPhotoの明確な敵はJPEG2000のようです(誰も使ってないのに)。 QuickTimeやXPもそのうち対応するみたいに書いてありますがどうなるのかわかりませんね。 MS版のPDFともいえるXPSとも密接にかかわってくる技術なので、デジカメメーカーと プリンタメーカーとマイクロソフトが協力することができれば普及するでしょう。 私としてはロイヤリティフリーにしてMSに権利を残しエンコーダーのアルゴリズムだけ MSに金払って手に入れるようにすればいいとは思います。 ■ソフト更新予定 ・とりあえずWMPhotoの全パラメーターを操作できるまではもっていきたいです。 現在の完成率は70%といったところです。  あくまでWMPhotoの研究用のソフトという枠をはずれないようにしたいですが  WPFのデモンストレーションソフトという役割ももたせたい気がします。 --------------------------------------------------------- WMPhotoをさわってみた私の感想です --------------------------------------------------------- WMPhotoの目的はデジカメに搭載されてJPEGやRAWのかわりになることみたいですが 現実問題どしてデジカメに興味がない人がWMPhotoを使う理由といったらJPEG/PNGの 代替になることでしょう。 BMPをWMPhotoにエンコードしてPNG/JPEGと比較するのは実験として十分ためしてるみる価値があります。 デジカメラをやるひとは巨大なJPEGファイルをエンコードしてみるのもいいかもしれません。 残念ながら.NETがRAW形式には対応してないのでRAWは無理です(もちろんコードを追加すれば可能でしょうが・・)。 PNGやJPEGをエンコードする時も一度生のグラフィクスデータに直して圧縮するので 再々圧縮にはなりません(ZIPファイルをLHZで圧縮するのとは違うということです。) LossLessで1M以下のPNGファイルを再エンコードしても逆にファイルがでかくなるようです 私のもってた5M程度のアニメ系デザインのPNGファイルをIQL0.9でエンコードすると700K程度になりました 雑誌のグラフィックデータなどをスキャンして保存するときなどに真価を発揮します。 どちらかというと巨大なサイズの画像データをインテリジェントに圧縮するのに向いてるフォーマットのようです。 単純な色しか使わないデータつまりGIF系の画像やExcelのグラフデータなどにも向いてないような気がします こういう画像は可逆フォーマットとしてはPNGのほうが得意です。 ただ可逆でもPNGより圧縮できる場合が多少あるので画像によると言うしかありません。 ここはたくさんのファイルをエンコードしてノウハウを積むしかないでしょう。 非可逆のときでも限りなく可逆に近い品質でエンコードすることが可能です(画像の種類によりますが)。 処理自体は軽く感じます。(ただし.NET3.0のロードが終わった段階でのキャッシュが効いてるせいもあるでしょう) 萌ゲーCGとも親和性が高いようなのでライセンスのいかんによってはゲームで使うことも有効かと思います。 PNGはそのオープンや汎用性という立場上、処理を犠牲にしてる部分がすくなからずあるので。 ---------------------------------------------------------- Developer 情報 ---------------------------------------------------------- 本ソフトはVisual Studio 2005(Pro)とVisual Studio 2005 Extensions (Orcas Pre版)を使い作成してます。 Orcas エクステンションのツールボックスは使い物にならないのでXAMLを手書きで書いて作成しました。 ただ慣れるとWPFはけっこうおもしろいかもしれません、少なくともWinFormよりはわくわくします。 WinFormのときよりGUIの設計の生産性が3倍ぐらいは早くなる気がします。 ただWinformからWPFへ頭をうつす期間が大変なんですよね(;_;) HDPV Ver1.3.0からToysというWPFのデモンストレーションみたいなのを作って付属するつもりですが これはExpression Blendで作成しています。さすがに3DやらアニメーションをXAML手書きで するのは無理があるとおもいます。 Microsoft Windows Software Development Kit for Windows Vista? and .NET Framework 3.0 Runtime Components http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyId=7614FE22-8A64-4DFB-AA0C-DB53035F40A0&displaylang=en Visual Studio 2005 extensions for .NET Framework 3.0 (WCF & WPF), November 2006 CTP http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyId=F54F5537-CC86-4BF5-AE44-F5A1E805680D&displaylang=en Microsoft Windows SDK Blog http://blogs.msdn.com/windowssdk/ Microsoft ExpressionR Interactive Designer http://www.microsoft.com/products/expression/ja/interactive_designer/default.mspx Windows Vista で動作する Visual Studio http://www.microsoft.com/japan/msdn/vstudio/support/windowsvista/ よく寄せられる質問 : Visual Studio と Windows Vista http://www.microsoft.com/japan/msdn/vstudio/support/windowsvista/faq/ ---------------------------------------------------------- 画像ソフト 情報 ---------------------------------------------------------- 私がメインで使ってるのはViX + Susieです。 SusieはJPEGやPNGの高速ライブラリもあるのでそれを使ってます。 あとはエンコーダーや絵書きツールとしてGimpを使ってます。 JPEG2000にかんしてはViXのβ版が対応してるほかIEのプラグイン、Susieのプラグイン があるようです。XnViewはたくさんの画像に対応してるのでお勧めです。 ・SIMD Enhanced JPEG Plug-in  http://cetus.sakura.ne.jp/softlab/index.html ・XnView http://perso.orange.fr/pierre.g/xnview/enhome.html ・ViX http://homepage1.nifty.com/k_okada/ マンガミーヤという画像閲覧ソフトがありましたがPDFライブラリーのライセンス の関係で公開されなくなりました。ソフトはインターネットをさがせば見るかるかもしれません。 このソフトはマンガをみるためにつくられたのですが、それだけでなく画像の読み込みとサムネイル作成が 驚くほど高速で関心しました、マウス操作やキーボード操作も利便性を第一に考えた作りで ここ数年では一番いい画像管理ソフトだと思ってただけに残念です。 PDF機能なんて私はいらないとは思いますが。マンガミーヤの高速性はつまるところIntelライブラリに よるものと思われ、Intelのライブラリがいかに優秀かという証明になったと思います。 C/C++系の画像ソフトを作ろうと思ってる方は購入を考えてはどうでしょうか。 ・Intel パフォーマンス・ライブラリー  http://www.xlsoft.com/jp/products/intel/perflib/index.html ---------------------------------------------------------- 画像フォーマットの勉強や研究について ---------------------------------------------------------- 画像フォーマットを勉強する場合いろんなソフトを使ってみるべきでしょう 各ソフトによってパラメーターが違う場合がありますし特にPNGのフィルターを調整するには 専用のソフトでないと無理そうです。 JPEGやPNGは枯れてかなり強固なライブラリなのでCが読める人はよんでみるのもいいでしょう。 PNGはシンプルですがJpegは1年かけても理解不能な気がするほど複雑摩訶不思議な仕様です。 実際Jpegのすべてのパラメータを設定するフリーソフトなんかないでしょうしあったとしても コマンドラインでごちゃごちゃやるしかないでしょう。 BMP/GIF/JPEG/PNG/TIFFは仕様が公開されてますがJPEG2000は情報が少なく 仕様書にライセンスがいるようです。JPEG2000は処理が遅くてもいいやという思想なので どちらかというとハードウェアエンコード向きなのかもしれません、 どちっちにしろPCでは普及するタイミングを完全に逃した感があります。 また生の画像素材(圧縮されてない画像)をあつめるためにやはり高価なRAW対応のデジカメ が必要になります。私はもってませんが・・。生画像にかんしてはスキャナがあればとりあえず集められます。 スキャナで適当に本などをBMPかPNGで保存してそのあと.wdpにエンコードとかしてみるとおもしろいです。 それかJPEGファイルを1/4サイズぐらいにしてPNG/BMP保存すればブレなどがとれてきれいな画像に近づきます。 画像のエンコードや劣化の目視確認のためにAdobeRGBに対応したりなどのある程度高いモニタが必要になります。 またあまり目立ちませんが現在のデスクトップPCのモニタには静止画モードというのが搭載されてます、 モニタの横や前面にボタンがあるはずなのでモニタのマニュアルを見つつ押してみましょう。 あとこればっかりはどうしようもありませんが良好な視力もひつようです。 ガンマ値がWindowsとMacでは違うのでMacとかUNIXもあればよりいいでしょう。 (ただしWMPhotoのCライブラリが出てないのでWMPhotoを閲覧するのは無理ですが。) 各フォーマットの学習はインターネットの資料をコピーするのが一番いいと思います。 日本語で書いてあるフォーマットの専用書が少ないためです。 JPEG 概念からC++での実装まで 第2版 http://www.sbcr.jp/books/products/detail.asp?sku=4797330457 JPEG2000詳細解説 http://www.cqpub.co.jp/hanbai/books/18/18721.htm JPEG2000の技術詳細については漢の技術月刊誌「インターフェース」にときどき掲載されてました。 上記のCQ出版のJPEG2000本はその情報をピックアップしたものと思います。 インターフェースにはLZ系の圧縮技術やウェーブレット計算解説などが定期的にのってるので 画像エンコードアルゴリズムに興味がある人にも特にお勧めです(本来は組み込み系雑誌なんですが)。 インターフェース http://www.cqpub.co.jp/interface/default.asp WMPhotoの技術を読み解く上ではTIFFとJPEG2000の知識は必須です。 画像コンテナはTIFFに似せてあり、エンコード/デコードはJPEG2000を意識した作りになっってます。 JPEG2000は複雑な処理系であり個人のフリーソフトがJPEG2000に対応してる場合はなんらかのフリー ライブラリを使用してるものと思います。画像ソフトを作る人はその処理系を使いましょう。 http://www.innotech.co.jp/products/product_list/soft/middleware/p_jpeg2000.html The JasPer Project Home Page (JPEG2000のライブラリ) http://www.ece.uvic.ca/%7Emdadams/jasper/ @IT http://www.atmarkit.co.jp/flinux/rensai/linuxtips/568showjpeg2000.html <適当に私なりの解釈でメジャー画像フォーマットの説明をおいときます。> ◆BMP 作ったとこ:MS ライブラリ:特に必要がない 可逆圧縮: サポート(ただし使われてない) 非可逆圧縮: なし 普及率: 80% 透過: なし アニメーション: なし インターネットでのシェア: 10% 18禁ゲームでの利用率: 10% <解説>: マイクロソフトの無圧縮フォーマットで無圧縮画像としては一番普及してる。 ただし画像が数メガバイト、スキャナ画像とかになると50Mから数百メガバイトになるので なかなか扱いが難しい。昔(2000年ごろ)はbmp壁紙をzipで圧縮したものがインターネットにでまわっていたが これはPNGのデコードが当時のパソコンにとっては処理が重かったためで現在では可逆ならPNG壁紙のほうが多い気がする。 このフォーマットはシンプルなので必ず覚えておいたほうがいいです。 ◆JPEG 作ったとこ:ITU-T http://www.jpeg.org/index.html ライブラリ: http://www.ijg.org/ 可逆圧縮: サポート(ただし使われてない) 非可逆圧縮: サポート 普及率: 100% 透過: なし アニメーション: なし(Motion Jpegというmpegのまがいもんみたいなのがありプレイステーションでは使われてます。) インターネットでのシェア: 70% 18禁ゲームでの利用率: 0% <解説>: インターネットでは一番普及してる非可逆画像。私としては早くJpegが死滅してpngだけの世界になってほしいのですが無理でしょうね。 ハフマン圧縮というメジャーな圧縮方式を使い画像を劣化処理する方法はDCTという複雑な方法をとります。 巷に出回ってるJpegはJFIFというフォーマットでこれ以外にも画像コンテナが存在します。MPCで画像を保存すると JFIFヘッダが保存されないのも別コンテナのせいかもしれません。この画像フォーマットの致命的な弱点は非可逆であるということです。 またソフトの利用にライセンスがいることがあるのかIE5/6のバージョン欄にはいつもJPEGのライセンスがかかれてます。(IE7+ではないんですが) 以前サブマリン特許を主張する会社がいてSonyはお金を払いました。 MPEGと名前が似てるのは同じ団体がつくったためで静止画がJPEG、動画がMPEG1というすみわけです。 ○JPEG特許問題 http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/compression/jpegpat.html ○JPEG-LS http://e-words.jp/w/JPEG-LS.html ○Wikipedia (英語) http://en.wikipedia.org/wiki/JPEG ◆PNG 作ったとこ:PNG http://www.libpng.org/pub/png/ ライブラリ:http://www.libpng.org/pub/png/libpng.html 可逆圧縮: サポート 非可逆圧縮: なし 普及率: 50% 透過: あり アニメーション: なし(MNGというマイナーフォーマットがあり) インターネットでのシェア: 15% 18禁ゲームでの利用率: 30% <解説>: 地球最強フォーマットです。とにかく可逆で圧縮できるというのがいいです、48bitカラーをサポートしてます。 GIFのライセンスを主張しはじめたユニシスに対抗して作られたとよく言われるのですがまったくGIFとは関係ないフォーマットです。 そもそもGIFは256色しか扱えない現代ではナンセンスなフォーマットで相手にすらなりません。普及率がいまいちなのは 別に非可逆のJPEGでもいいやという人が大半なせいでしょう、それにPNGはやはりJpegとくらべて処理が重いです。 フォーマットはただ画像にフィルターをかけてzlib圧縮してCRCをつけるだけといった猿でもできそうなフォーマットでシンプルです。 ためしにやってみてほしいのですがBMP画像をzipで圧縮するよりもBMP画像をPNG圧縮したほうがサイズが縮まるのは このフィルターのおかげなのですがフィルターを操作できるソフトというのがあまり出回ってません。 まぁたいして意味がないから出回ってない、もしくは処理時間と手間とのトレードオフを考えた場合フィルター操作を ユーザーにやらせるよりはソフトが勝手にしたほうが早いというのがセオリーなのかもしれません。 zLibと密接にかかわってるソフトライブラリなのでzlibにセキュリティーホールが見つかるとPNGもやられてしまいます。 また処理がzlibなどのせいで遅くなってる可能性もあります。PNGは誰でもどこでも使われる必要があるためWindowsバリバリのコードや Intel特有のアセンブリコード、SSEなどを公式ライブラリでは直接うめこめません(MMXはzlib/CRC計算で使われてるようです)。 ライセンスフリーということもあり18禁ゲームやフリーゲームでよく使われます、絵はPNG、音楽はoggというのがフリーゲームでは 一番ベターでしょう。 http://www.w3.org/TR/PNG/ ◆GIF 作ったとこ:CompuServe ライブラリ: 可逆圧縮: サポート 非可逆圧縮: なし 普及率: 60% 透過: なし アニメーション: あり インターネットでのシェア: 10% 18禁ゲームでの利用率: 0% <解説>: 256色しかつかえないので貧弱ですがインターネットではボタン画像や256色以下の小さい画像などにまだ使われてます。 アニメーション画像を作りたいときはまだGIFが必要です。ちなみに数年前にユニシスのライセンスが切れたのでいまでは誰でも使えます。 といってもグレー的にライセンスが切れる前からGIFライブラリが出回ってたのは事実ですが・・ GimpはアニメーションGifも作れます。ライセンスなどで一時期、画像ソフトからGIFライブラリが削られたことで 現在では妙にGIF処理が遅いソフトやライセンスが切れた後もGIFに対応しなくなったソフトがけっこうあります。 ◆その他の画像について TIFFはインターネットであまり出回ってなく私も興味ないため説明をはぶきました(TIFFはMACではメジャーみたいですが私はドザーなので)。 その他の画像としてあげられるのがUNIX系の画像でしょう、これはGimpで作成したり読み込んだりすることができます。 あと18禁ゲームやPCゲームでは解析クラックを防ぐ目的と効率のために独自の画像フォーマットを利用してることが多々あり ライブラリを公開してるものがあって興味をひかれます。ただし日本独自のフォーマットですし普及の見込みはゼロなので 参考程度に眺めてみるといいと思います。後大きな存在としてはPhotoShopがありある意味これを中心に画像世界が回ってるという 考え方もあるので触ったことのない人は体験版でもいれてみてはどうでしょうか。Adobeはマクロメディアを買収したことで ますます力をつけたのでノストラダムスが降臨しない限り倒産することはなくなったでしょう。 あまり関係はないですが3D系の画像フォーマットというのもあります、有名なのはDrectXの.xファイルでしょうか。 ■最後に. 新しい画像フォーマットはやはりディベロッパーがよさをどんどんみんなにわかりやすく伝えることが大事だと思います。 JPEG2000などが普及しなかったのはライセンス問題以外にもそういったところがあったのではないでしょうか。 とりあえず私はPNGが世界制覇するのを望みつつWMPhotoを応援したいと思います。 以上